Ripple研究所

Rippleは金融の仕組みを本当に変えるか? -リップルの仕組みと用語の解説-

リップル(XRP)は電気屋のポイントと変わらないって本当?

仮想通貨≠暗号通貨

XRPは仮想通貨であっても暗号通貨ではない

XRPは仮想通貨であっても暗号通貨ではないので、発行するための労力はほぼ0に等しい。

ビットコインのようにマイニングするためにマシンパワー(≒電力)が不要であり、日銀がお札をするよりもっと手軽に流通量を増やせる。

単なる一企業であるリップル社だけがXRPの発行権を持つ。

リップル社は現時点の1000億XRPのみで追加発行をしないと言っているわけだが、法の規制があるわけではないので、この口約束は覆る可能性はある。

ブロックチェーンの中でRippleが最も安全でない

とある中国企業の調査によると

中国CERTはこの中で、リップルのソフトウェアにはリスクの高い脆弱性が223あり「銀行がこのまま利用すれば、銀行や顧客に計り知れない損失を与える恐れがある」と結論付けた。

btcnews.jp

Ripple社の暗号学者はこの脆弱性リスクを否定している。

とはいえ、他の暗号通貨とは違い、高速な取引のためにチェックの仕組みを簡略し、PoWやマイニングによる大量の計算による改竄のチェックを採用していないので、ある意味当然と言えよう。

マイニング(採掘)がない

ビットコインのように採掘によって新たに発行されることはない。すでにすべてのXRPは発行済みである。

Rippleで国際送金が安くなる仕組み

Rippleで国際送金が安くなる仕組み

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coincheck.com

ripple connectの概要

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  • ripple connect(リップルコネクト) は、銀行の国際間の支払いをリアルタイムで処理する、海外送金のソリューション
  • すでにグローバル銀行上位50行のうちの12行に導入されている
  • リップルコネクトの使用により、中継銀行を通す必要がなくなり、コスト(手数料)削減、取引時間の短縮が実現されると言われている

ripple connectは何を行うのか?

リップルコネクトは、下記3つの処理を実行します。

  1. 送金側と着金側の本人確認情報、手数料、資金引き渡しに必要な時間等の情報確認
  2. リップルネットワークを介して最良な為替レートを取得し、支払い者に提示
  3. リップルネットワークを介した送金、着金

送金側と着金側とをマーケットメイカ―で直結させることで、双方の銀行は取引の処理状況を確認することができます。

XRPに関する6つの迷信 (English translation follows)

XRPに関する6つの迷信 (English translation follows)

Ripple社はRipple Consensus Ledger (RCL)に固有のデジタル資産であるXRPについて、日々様々な質問を受けます。分散型台帳技術やデジタル資産、またコンセンサスの仕組みは非常に複雑なテーマであることをRipple社は認識しており、そのため、XRPが仕組みやグローバル金融システムにおけるXRPの価値についての質問等には常に積極的に回答しています。しかしながら、このところ、オンライン上でXRPに関しての誤った情報が散見され混乱を招いています。この場で、よく話題となる「6つの迷信」を取り上げ、なぜその迷信が間違っているかを説明します。

 

迷信1:Ripple Consensus Ledgerは中央集権型または許可制の台帳である。 

許可制台帳では、ネットワークに参加するためには特定の中央管理者から許可を得る必要があります。それに対して、Rippleプロトコルは完全にオープンで、Ripple社やその他誰からの事前の許可を得る必要なくアクセスすることができます。中央集権型の台帳では、中央管理者が単一障害点となりますが、RCLは分散型であるため、Ripple社が参加するしないに関わらず機能するため単一障害点が存在しません。また、Ripple社は現在RCL上でバリデーターとして参加しているものの、全てのバリデーションを実行したり、バリデーションプロセス自体を管理している訳ではありません。マイクロソフト社やCGI社を含む様々な組織が取引のバリデーションに参加しています。Rippleネットワークは参加者のコンセンサスによって機能しています。参加者はどのバリデーターを使いたいかをいつでも選択することができます。つまり、バリデーションはRipple社ではなくネットワークへの参加者の手に委ねられています。

 

迷信2:Ripple社はXRPの総供給量を1000億以上に増やすことができる。

そもそもXRPの存在量を増やすことによる便益は全くありません。このようなことが起これば、ネットワークにおける信頼は破壊され、XRPは直ちに無価値になります。なぜなら、そのようなネットワークには誰も参加したがらないからです。さらに、Rippleコードはオープンソースであり、誰もが監査することができます。また、追加のXRPを発行するメソッド自体が存在しません。したがって、Ripple社が倫理的に行動することへの信頼にもとづいてネットワークが機能しているわけではなく、そもそもそのような信頼すら必要がない仕組みになっているのです。

 

迷信3:RippleがXRPの価格をコントロールしている。

 Ripple社はXRPの価格をコントロールしていません。私達はXRPマーケットのインテグリティを非常に重要視しており、そのようなインテグリティを損なうことは行いません。XRPの安定性を向上させるために、Ripple社は流動性を高め、送金量を増やし、スプレッドのボラティリティを低減させるべく様々な施策をとっています。現在展開しているオフレジャー(台帳外)における流動性構築のための試みはまさにこれらの施策の一部です。また、Ripple社にとっても、長期的なXRPの価値を向上させることが自らのためにもなります。したがって、意図的にXRPの短期的な価格を操作するような行動は、Ripple社やXRPに対しての信頼を損なうことになり、全く無意味なことです。

 

迷信4:銀行はXRPを使わない。

XRPには明確な金融機関のユースケースが存在し、最終的にはブリッジ通貨としての重要な価値を有することになります。今後、XRPが価値トランスファーのメカニズムとして幅広く活用されることによって、XRPの価値は向上することになります。金融機関による大きい金額の送金を可能とするためには、XRPの価値は必然的に上昇する必要があります。私達の究極的なビジョンは、Rippleソリューションを通して、グローバルな銀行間のクロスボーダー送金にXRPを統合させることですが、それ以外にもXRPにとって建設的なユースケースやシナリオは数多く存在する、ということも重要なポイントです。

 

迷信5:流動性提供者がXRPを使うのはリスキーである。

私達は現在RCL外の複数の取引所でXRPをリスティングする最中にあります。これによりXRPへのアクセスはさらに拡大し、XRPがクロスボーダー送金において活用されるために必要な流動性が向上し、さらにマーケットのゲートウェイに対する依存度が減少することになります。加えて、私達はXRPの貸付制度を適格な市場参加者にまもなく提供する予定です。これにより流動性提供者はXRPを保有せずにXRPマーケットに完全に参加することが可能となります。

 

迷信6:XRPの価値はRipple社の会社としての価値に反比例する。Ripple社のプロダクトが銀行に採用されることは、XRPのデジタル資産としての成功には無関係である。

XRPの長期的価値は最終的にはクロスボーダー送金のメカニズムとして採用されることにより決まります。XRPはこのユースケースに非常に重要な性質を備えているものの、それは必ずしもRipple社のソフトウェアとの統合に依存するわけではありません。XRPはRipple社の成功に関わらず、独自に存在し繁栄することができます。いずれにせよ、Ripple社は、XRPが最終的には国際的な価値トランスファーにおける標準的なデジタル資産となるべく引き続き全力を尽くしていきます。

English translation:

Setting the record straight: 6 XRP myths debunked

 

From time to time, Ripple gets questions about XRP, the digital asset native to Ripple Consensus Ledger (RCL). Ripple recognizes that distributed ledger technologies, digital assets, and consensus mechanisms are all complex topics, and is always happy to answer questions about how XRP works and its value in the global financial system as a result. However, recently there has been some misguided information being disseminated online which merits substantial clarification.

 

Myth: Ripple Consensus Ledger is centralized or a permissioned ledger

 

A permissioned ledger requires permission from some authority for access. The Ripple protocol is completely open and anyone can access the Ripple network without prior approval by Ripple or anyone else. With respect to centralization, the counterparty of a centralized ledger acts as a single point of failure for the ledger. Because RCL is decentralized, it can function without the participation of Ripple. Additionally, while Ripple provides validation on RCL, we do not manage the validation process nor do we run all the validators. MSFT and CGI are just examples of institutions running validators and validating transactions on RCL. Lastly, the Ripple network operates by the consensus of its participants. These participants can at any time choose which validators they use. As such, validation is ultimately in the hands of the network participants, not Ripple.

 

Myth: Ripple can increase the total supply of XRP beyond 100,000,000,000

 

There is no benefit to increasing the amount of XRP. This would destroy trust in the network and immediately make XRP worthless as no one would choose such a network. Furthermore, the ripple code is open source and can be audited by anyone – and it doesn’t contain any method to create additional XRP. As a result trust in the good intentions of Ripple is not necessary.

 

Myth: Ripple controls of the price XRP

 

Ripple does not control the price of XRP. We take the integrity of the XRP market incredibly seriously and would never do anything to compromise that integrity. In order to strengthen stability of XRP, Ripple is working toward increasing liquidity, payments volume, and low spread volatility. Our current off ledger liquidity building efforts speak very clearly to these goals. Also, it’s in Ripple’s own interest to promote the long term value of XRP. As such, any attempt to intentionally influence the short term price of XRP is nonsensical as it would imperil trust in the company and the asset.

 

Myth: There’s no bank use case for XRP

 

XRP has a clear institutional use case and ultimately, considerable value as a bridge currency. Going forward, XRP’s use as a value transfer mechanism will increase its utility which could translate to an increase in its value. To facilitate larger notional transfers by financial institutions XRP will necessarily have to be worth more. It’s important to note that while our ultimate vision incorporates XRP into global bank cross border payments via our Ripple solution, there are myriad scenarios and uses which are constructive to XRP.

 

Myth: It’s risky for liquidity providers to use XRP

 

We are in the process of listing XRP on several non-RCL exchanges. This will expand access to XRP, increase the liquidity needed for XRP to facilitate cross border payments, and will reduce the market’s dependence on gateways. Additionally, we will soon offer an XRP lending facility to qualified market participants. This allows liquidity providers to fully participate in XRP markets without necessarily having to own XRP.

 

Myth: The value of XRP is inversely proportional to the value of Ripple as a company – and Ripple’s traction with banks has nothing to do with XRP’s success as a digital asset

 

The long-term value of XRP will ultimately be driven by its adoption as a cross border value transfer mechanism. Though XRP has important attributes which make it particularly useful for this use case, these attributes do not ensure full integration with our enterprise software solution. Ultimately, XRP can be successful regardless of Ripple’s success. Either way, we continue to do everything we can to make sure XRP eventually becomes the digital asset standard for international value transfer.

オートブリッジ

オートブリッジとは?

オートブリッジは、流動性と生来のブリッジ通貨としてのXRPの利用促進を容易にするために、XRPを介して複数のオーダーブックの橋渡しを行う。

例えば 1JPY=1XRP と 0.01USD=1XRP の注文が同時に出された場合、オートブリッジは2つのオーダーブックを合成し、1JPY=0.01USD の取引を可能にする。

これによってリップルでは様々な通貨ペアの取引が可能になる。

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また、リップルは更にオファーオートブリッジという機能により、IOUを直接掛け合わせたオーダーブックとオートブリッジにより生成されたオーダーブックを合成して、一つのオーダーブックを生成する。

IOU(I owe you)

IOU = I owe you = あなたに貸しがある

IOUはゲートウェイが顧客から引き受けた預金に対して発行される借用証書である。(語源は英語のI owe you.)

ゲートウェイから顧客に発行されるIOUの残高は、基本的に顧客から引き受けた預金の残高に基づく。

リップルのユーザー同士は、ゲートウェイから発行されたIOUで支払いを行うことができる。この場合に必要なのは、IOUを保持するために支払いを行うユーザーが互いに共通のゲートウェイをトラストすることだけで、直接お互いをトラストする必要はない。

また、Gold Bullion Internationalが発行するXAUのように、IOUは通貨以外の資産の価値記録にも利用することができる。

IOUの発行手続き

  1. 発行元アカウントの作成
  2. 運用アカウントの作成、発行元アカウントをゲートウェイに追加
  3. 発行元アカウントから運用アカウントに送金
  4. 運用アカウントから売り出し開始
  5. IOU売り出しの告知

ちなみに、個人がこれだけアッサリとゲートウェイとなりIOUを発行できるということは。 その発行元の信頼性いかんでは、IOU購入には大きなリスクが伴うことになります。 実際、とあるIOUを購入した後そのゲートウェイが閉鎖し、保有しているIOUの価値がゼロになったことがあります。 発行する際も購入する際も、くれぐれも「信頼性」を強く意識するのが肝要だと思っています。

http://tao.main.jp/VirtualCurrency/rippleで仮想通貨的iouを発行してみる

下記のブログ内によくまとまっていますのでさらに詳しく知りたい方はご覧になってください

Rippleで仮想通貨的IOUを発行してみる | Virtual Currency

まとめ

  • IOUは、お金を相手に預けた時に相手から受け取る「借用書」
  • 銀行にお金を預けた場合の通帳
  • 本当に貸したお金を返してもらえるかどうかは、相手次第
  • 誰でもRipple内仮想通貨ともいえるIOU(借用証書)を発行することできる

ゲートウェイ

ゲートウェイとは?

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ゲートウェイは顧客から通貨の預金を引き受け、代わりにRippleネットワークの残高を発行するビジネスである。

これは伝統的な銀行の役割にとても似ている。

Rippleネットワーク上でXRP以外の通貨による残高を保有するにはゲートウェイに接続する必要があり、これを「トラストラインの確立」と呼ぶ。

XRPには発行者が存在しないため、XRPの残高の場合はゲートウェイに接続する必要はない。

リスク

  1. ゲートウェイは銀行そのものなのでデフォルトのリスクがある
  2. ゲートウェイには金融機関並みのコンプライアンスとセキュリティが求められる(一私企業にそこまで任せて大丈夫か)
  3. 国内法に抵触する恐れはないか(法整備が間に合うか)

XRPの最小単位と発行上限は?

XRPの最小単位と発行上限

XRPの発行上限は1000億枚。

XRPの最小単位は1 XRPの100万分の1(0.000001)で、この最小単位を"drop"と呼ぶ。つまり 1 XRP = 1,000,000 drops である。

1000億というXRPの発行上限は人的要因により決定された。drops の64ビットの精度のうち1ビットをXRPフォーマットを表すフラグ、1ビットを符号、3ビットを未使用領域として合計5ビットがフラグとして割り当てられている。

1000億XRPは100,000,000,000,000,000 dropsであり、これは64ビットから前述の5ビットを差し引いた59ビットの符号無し整数(unsigned integer)に収まる。

  • 100,000,000,000,000,000 = 10^17 = 10^11 * 10^6
  • 576,460,752,303,423,488 = 2^59

新規発行されない

ビットコインの新規の発行は、採掘(マイニング)というビットコインのやりとりを記録する作業に携わる人への報酬として、新規のビットコインが発行されています。 ただし、発行枚数の上限が定められていて、2100万枚となっています。

一方、リップルコインは1,000億枚とはじめから発行枚数が決まっています。これ以上、発行されることはありません。

ブリッジ通貨としてのXRP

ブリッジ通貨としてのXRP

XRPが中間通貨の役割を果たし、通貨や仮想通貨の種類にかかわらず、数秒で送受信ができ、送受信以外にも円をユーロなどの他の通貨へ両替することが出来る。
ドル、ビットコイン、モナコイン、あらゆる通貨、仮想通貨の自動両替が可能

news.ripple-japan.com

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Rippleのコンセンサス・システム

圧倒的な取引速度

ビットコインは送金するのに数分〜数10分かかるが、 リップルは独自に開発したコンセンサスシステムで3~6数秒での送金を実現した。

これは仮想通貨としては非常に画期的なこと!

どうやって高速な取引を実現したか

そもそも、なぜビットコインをはじめとする暗号通貨は数分〜数10分も送金に時間がかかるのか? 同じ仮想通貨なのに、XRPはものの数秒で送金が可能になるのだろうか?

それはXRPが他の仮想通貨とは違うコンセンサス・システムを採用しているからに他ならない。

ビットコインのコンセンサス・システム

Rippleのコンセンサス・システムを見る前にビットコインのコンセンサス・システムを見てみよう。

ビットコインはプルーフオブワーク(PoW)を採用しており、 これは取引履歴を改竄するコストが非常に高く、そのコストの高さが安全性を担保している。
計算量が多いため、その計算にかかる時間の分だけ取引にも時間がかかるようになっている。この計算作業のことをマイニングという。

巷の暗号通貨と呼ばれるものはほとんどがこの方式を採用しており、仮想通貨といえばこの仕組みを採用しているものを指すことが多いように思う。

仮想通貨の中でもPoWを採用しているものを暗号通貨(Cryptocurrency)と呼ぶと考えるといいだろう。

ビットコインのコンセンサス・システムの欠点

ビットコインのコンセンサス・システムは非常に計算に時間がかかるため、取引にも時間がかかり、取引できる量が少ないという欠点がある。

具体的には7tps(取引/秒)。

VISAやMasterなどといった既存のトランザクション処理サービスは、最大で45,000tps程度。

ビットコインはVisaやMasterの6400分の1程度しか処理できない。

このスケーラビリティ問題があるため、ビットコインが世界的に使われるまで普及しないのではないかと考える人たちが多い。

www.tottemoyasashiibitcoin.net

Rippleのコンセンサス・システム

では、Rippleのコンセンサス・システムはどうなっているのだろうか。

Rippleは信頼できる一部の承認者(validator)による投票で取引を承認できるようにした。この承認システムには時間のかかる計算が必要ないため、取引を承認するまでにかかる時間が3~6秒と高速にすることができた。 

この仕組みを採用しているため、Rippleは仮想通貨であっても暗号通貨ではないので、この点は他の仮想通貨と分けて考えることが必要である。

Rippleのコンセンサス・システムの欠点

承認者のほとんどはRipple Inc.が管理しているサーバーが決めている。
つまり現在のところは取引の承認は全てRipple Inc.によって決まっているということ。

これが俗に中央集権的システムと言われている所以である。

Rippleのコンセンサス・システム 欠点の克服

Ripple Inc.は、欠点を克服するために取り組みを行っており、いずれ自社のValidatorを停止し、各ノードが自由に承認者リストを選べるようにする方針のようだ。